開業届の出し方|個人事業主の提出期限・書き方・青色申告申請までを順番に【2026年10月】

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フリーランスや個人事業主として仕事を始めるときに、まず出すのが開業届(正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」)です。この記事では、開業届の提出期限・出し方・書き方のポイントと、一緒に出しておきたい書類を、国税庁などの公式情報をもとに順番に整理します。
- 開業届の提出先は納税地(ふつうは住所地)を管轄する税務署。手数料はかからない
- 提出期限は、国税庁の案内(2026年4月1日現在の法令等)で開業した年分の確定申告期限まで
- 急ぎたいのは青色申告承認申請書。年の途中で開業したら開業日から2か月以内が原則
- 出し方はe-Tax・郵送・窓口の3通り。都道府県への申告(東京都は15日以内)も忘れずに
開業届とは?誰が出す?
開業届は、「事業を始めました」と税務署に知らせる書類です。国税庁の案内では、新たに事業所得・不動産所得・山林所得を生ずべき事業を始めた人が提出する、とされています。
フリーランスのデザイナーやエンジニア、ライター、お店を開く人などが、事業として継続して仕事をする場合に出すのが一般的です。会社員の副業でも、事業として始めるなら対象になります。副業の収入が「事業所得」か「雑所得」かは、規模や継続性などで判断が分かれるので、迷う場合は税務署や税理士に確認しましょう。
なお、会社(法人)を作る場合は開業届ではなく「法人設立届出書」を出します。会社設立の流れは会社設立の流れと費用で紹介しています。
提出期限は「確定申告期限まで」に
※ 2026年10月5日時点、国税庁の公式サイトで確認(国税庁のページは2026年4月1日現在の法令等に基づく)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書類名 | 個人事業の開業・廃業等届出書 |
| 提出先 | 納税地を管轄する税務署 |
| 提出期限 | 事業を始めた年分の確定申告期限まで(原則、翌年3月15日) |
| 提出方法 | e-Tax、郵送、税務署の窓口 |
| 手数料 | かからない |
以前は「開業の日から1か月以内」とされていましたが、2026年1月1日からは開業した年分の確定申告期限までに変わっています(2025年12月31日までに開業した場合は、従来どおり1か月以内)。期限の土日祝日は翌日にずれます。
ただし、期限が延びたからといって後回しにしてよいわけではありません。銀行で屋号の付いた口座を作るときなどに開業届の控えを確認されることがあり、何より青色申告の申請には別の短い期限があるからです(次の章で説明します)。
一緒に出したい書類と期限
開業届と同じタイミングで出しておくと安心な書類をまとめました。すべての人に必要なわけではないので、自分に当てはまるものを選びます。
| 書類 | 出す人 | 期限 |
|---|---|---|
| 所得税の青色申告承認申請書 | 青色申告をしたい人 | 1月16日以後に開業したら開業日から2か月以内(1月15日以前の開業はその年の3月15日まで) |
| 青色事業専従者給与に関する届出書 | 家族に給与を払う青色申告の人 | 青色申告承認申請と同じ考え方(開業後2か月以内など) |
| 給与支払事務所等の開設届出書 | 人を雇って給与を払う人 | 開設から1か月以内 |
| 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 | 従業員が常時10人未満で、源泉所得税の納付を年2回にまとめたい人 | 随時(承認されると申請の翌々月の納付分から、年2回の納付になる) |
| 適格請求書発行事業者の登録申請書 | インボイスを発行したい人 | 登録希望日を書いて提出 |
| 事業開始等申告書(都道府県) | 個人事業税の対象になる事業を始めた人 | 都道府県ごと(東京都は事業開始の日から15日以内) |
源泉所得税の納期の特例は、給与の支払を受ける人が常時10人未満の場合に使えます。承認されると、1〜6月分を7月10日、7〜12月分を翌年1月20日にまとめて納付します。インボイス登録が必要かどうかは取引先との関係で変わるので、請求書と入金を早める方法もあわせて確認してください。

青色申告承認申請書は「2か月以内」が大事
青色申告をすると、帳簿をつける手間は増えますが、国税庁が案内する主な特典として次のようなものがあります。
- 青色申告特別控除:複式簿記で記帳し、貸借対照表と損益計算書を添付して期限内に申告すると最高55万円。さらにe-Taxで申告するか、帳簿を電子帳簿保存すると最高65万円。これらに当てはまらない場合は最高10万円
- 青色事業専従者給与:生計を一にする15歳以上の家族が事業に専従している場合、届け出た範囲内の適正な給与を必要経費にできる
- 純損失の繰越し:赤字の年の損失を、翌年以後3年間にわたって繰り越せる
青色申告承認申請書は、1月16日以後に開業した場合は開業日から2か月以内に出さないと、その年は白色申告になります。開業届の期限が延びても、こちらの期限は短いままなので注意しましょう。承認を受けようとする年の12月31日までに通知がなければ、承認されたものとみなされます。
開業届の出し方は3通り
1. e-Tax(オンライン)
国税庁が推奨しているのが e-Tax です。e-Taxソフト(WEB版)なら、パソコンやスマートフォンからマイページにログインして作成・提出できます。e-Taxで出す場合は、本人確認書類の写しを別に用意する必要はありません。
2. 郵送
書面で作り、管轄の税務署に郵送します。マイナンバーを書いた書類なので、本人確認書類の写しを同封します。提出した控えの扱い(返送の方法など)は、事前に税務署に確認しておくと安心です。
3. 税務署の窓口
管轄の税務署に持参します。書面でマイナンバーを書いた書類を出すときは、そのつど本人確認書類の提示または写しの添付が必要です。マイナンバーカードがあれば1枚で済みます。
書き方のポイント
開業届はA4・1枚の書類で、記入例も国税庁のサイトで公開されています。迷いやすい項目だけ押さえておきましょう。
- 納税地:ふつうは住所地。自宅とは別に事務所がある場合は、その所在地も書く欄がある
- 職業:「Webデザイナー」「ライター」など、仕事の内容がわかる名前でよい
- 屋号:任意。決まっていなければ空欄でも出せる
- 開業日:事業を始めた日を書く。青色申告承認申請の「2か月以内」もこの日から数える
- 届出の区分:「開業」に○をつける
- 青色申告承認申請書の提出:同時に出すなら「有」にする
- 給与等の支払の状況:人を雇う予定がなければ空欄でよい
自宅住所を書類や名刺、ネット上に出したくない場合は、事業用の住所を用意する方法もあります。バーチャルオフィスの選び方と比較も参考にしてください。
税務署のほかに出すところ
都道府県(個人事業税)
個人事業税の対象となる事業を始めた場合は、都道府県税事務所への申告も必要です。東京都の場合は「事業開始等申告書」を事業の開始の日から15日以内に都税事務所へ出します。東京都では電子申請(LoGoフォーム)でパソコンやスマートフォンからも提出できます。期限や様式は都道府県ごとに違うので、住んでいる地域の公式サイトで確認しましょう。
東京都の案内では、個人事業税には年290万円の事業主控除があり(年の途中で開業した場合は月割り)、所得税の確定申告をしていれば、個人事業税の申告を別にする必要はありません。

人を雇う場合
従業員を雇ったら、税務署への「給与支払事務所等の開設届出書」に加えて、労働保険(労災保険・雇用保険)などの手続きも必要です。勤怠の記録については勤怠管理の始め方で紹介しています。労務の手続きは個別の条件で変わるので、社会保険労務士への相談も検討してください。
開業届を出したあとにやること
- 事業用の口座とカードを分ける:プライベートのお金と混ぜないと、帳簿づけがぐっと楽になる
- 帳簿をつけ始める:青色申告をするなら、開業した日から記帳が必要。会計ソフトを早めに決めておく
- 請求書のひな形を用意する:インボイス登録をした場合は、登録番号を記載する
- 確定申告の時期を確認する:所得税の確定申告は原則、翌年の2月16日から3月15日まで
税金の扱いは、事業の内容や売上の規模によって変わります。ここで紹介したのは一般的な情報です。節税や申告方法など個別の判断は、税務署や税理士に相談してください。税理士の探し方は税理士の探し方と費用の目安で紹介しています。
まとめ
- 開業届は、納税地を管轄する税務署へ。手数料はかからない
- 提出期限は、2026年1月1日以後の開業なら「開業した年分の確定申告期限まで」
- 青色申告承認申請書は、年の途中の開業なら開業日から2か月以内。開業届と同時に出すのが安心
- 出し方は e-Tax・郵送・窓口の3通り。都道府県への申告(東京都は15日以内)も忘れずに
手続きが終わったら、次は仕事の道具やお金の流れを整える番です。請求書と入金を早める方法もあわせて読んでみてください。
参考(2026年10月5日確認):国税庁 個人事業の開業届出・廃業届出等手続/国税庁 No.2090 新たに事業を始めたときの届出など/国税庁 所得税の青色申告承認申請手続/国税庁 No.2070 青色申告制度/国税庁 No.2072 青色申告特別控除/国税庁 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出/国税庁 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請/東京都主税局 事業開始(廃止)等申告書の提出/東京都主税局 個人事業税/弥生 青色申告に開業届は必要?(提出期限の改正について)/弥生のかんたん開業届


